砂場

これは、ただの砂場です。

2024-01-01から1年間の記事一覧

体験

さいきんまた、ぽつぽつ小説のつづきを書き始めている。筆はどんどん遅くなる。 書いている途中、体験をするように感情が湧き上がることがあって、いまはそれを楽しみ、というか、その波が来ればいいのになとすがるように書き進めている。 それにはやはり、…

春の雨

休みには海を見に行こうとぼんやり思っていたのに、布団から出たのは昼を過ぎていた。 鏡を見るたびに老けていく気がする。髪と肌だ。艶がない。化粧のりがしない。天気予報は雨。部屋のなかを見ると散らかっていてガックリする。どこからも逃げ出したいよう…

動画

友人から送られてきた動画には、ふたりの男が映っていた。メガネの方は私も知っている男で、もうひとりはいわゆる「流し」のようである。アコースティックギターを胸に抱えている。 居酒屋の座敷である。店内はがやがやと酔っ払いの声で騒がしい。男らは声を…

信頼と人間関係

つくづく、人間関係とは不可逆なものであると思う。 失った信頼だとか、気持ちだとかを「取り戻す」ことはできない。ふたりの人間の関係は戻ることが出来ない。あたらしく構築するほかない。 血のつながった家族でさえそうなのだから、血のつながらない人間…

週末の旅行のこと

自分のために記録として残しておきたいような出来事はいくつもあるのに、毎日の終わりにはただ疲れて眠りたい。 楽しみにしていた週末の旅行から帰ってきて、とてもさみしい。 木曜の夜、東京発の夜行バスに乗り仙台へ向かった。初めての仙台駅は積雪、早朝5…

生きてる時間がのびるほど悲しいことが積み重なっていくようでひどいよなあと思う。すこし前まではぼんやりといつかくるゴールがあるようなつもりでいたけど、さいきんはまったくその感覚がなくなった。もうこのまま衰えていくだけの人生なのかと思う。 生き…

うつわ

自分は人間としての器が小さいんだなと思い知る日々です。 キャパシティを超えるとどうでもよくなる。判断や処理スピードを優先して「いまのは優しくなかったな」と反省することがたくさんある。 人の気持ちなんて分らないんだから割り切るしかないよと言わ…

口が悪い

社会に出ていつも敵だらけだと思って生きていると、じつはみんな友好的だということに気がついて驚くことが度々ある。 いまの職場はそれが顕著だ。 みんながみんな、誰かの仕事に文句を言っている。こんな中で働いていたら私のような能無しはすぐ砂袋にされ…

女のいない男たち

村上春樹「風」の文章だなーと思いながら読みすすめて、結局この人がずっと言っていることはこれなんだろうと思って慰められて泣いた。おもしろい物語とか、美しいシーンとか世の中にいくらでもあるけどこの人の作品を好んで読む人はみんな「女のいない男た…